現場から

落語を通して、留学生のこころに灯をともす~桂扇生師匠の留学生への温かい思い~

  

イーストウエスト日本語学校で、桂扇生さんによる「落語鑑賞会」をスタートさせたのが、2001年1月、今年で24回目となりました。思えば、講演会でお会いしたのが最初の出会いでした。講演が終わって、私のところに扇生さんが挨拶に来てくださり、名刺交換が始まりました。

  えっ?落語家さんでいらっしゃるのですか。よろしくお願いします。

  あのう、私が勤務する日本語学校の留学生に落語を聞かせてくださいませんか。

と、お顔を見て瞬時にひらめいた私の口からこんな言葉が飛び出していました。それに扇生きさんは「いいですよ」と、即答してくださいました。「留学生の力になるなら、喜んで!」と思ってくださったのだと、あとで伺いました。

こうして始まった落語鑑賞会。扇生さんの素晴らしい芸に、留学生は感動し、自ら寄席に出かけて行く学生も出てきました。時には、扇生さんの落語の合間に、留学生が小噺を作って、高座に上がって実演することもありました。思い出がいっぱい詰まった落語鑑賞会です。

今年の演目は「まんじゅう怖い」と「時そば」です。この鑑賞会の特徴の一つとして、小噺がたくさんあること、扇子と手ぬぐいで「さまざまな動作」の実演、はたまた着物の説明から着方まで、留学生が日本文化の理解に役立つ、さまざまな工夫が凝らされているところにあります。

いつも大笑いとなるのは、次の小噺です。

お前、何やってんの?

兄貴に手紙書いてんの。

よせよ。お前字書けないじゃないか。

いいの。兄貴は字読めないから。

そういえば、コロナ禍の3年間も、形を変えながら「落語鑑賞会」を続けてきました。ちょっと記してみます。

◆2021年1月  http://www.acras.jp/?p=10810

   「イーストウエスト日本語学校 落語鑑賞会」実施!~教師で力を合わせて、万全の対策で臨む~

◆2022年1月 https://acrasweb.jp/?p=996

    今年の落語鑑賞会は、中野芸能小劇場でハイブリッド開催

         ~「早く日本に行きたい!」と、オンライン授業の留学生~

◆2023年1月 https://acrasweb.jp/?p=1079

     今年は、全員対面での「イーストウエスト日本語学校落語鑑賞会」

         ~桂扇生さんと留学生とのやり取りに感動!~

      🍀     🍀     🍀

今年もたくさんの感動と思い出を残してくれた「落語鑑賞会」でした。長年、特別の思いをもって実施してくださってきた扇生さんに、改めて感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

では、今年も学生さん達の感想文をご紹介しましょう。これは、「なかのスマイル亭」での鑑賞会が終わったあと、学校に戻り4時間目の授業の中で書いたものであり、そこで書いたものを集めたものとなります。

   ※コメント及び写真は、学生さんから許可をもらってあります。

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