1月31日、イーストウエスト日本語学校の冬の特別授業である落語鑑賞会が行われました。去年は、ハイブリッドでの実施でしたが、今回は完全対面実施となりました。2020年3月からのコロナ禍、やっと収まりが見えてきたことが分かります。この数年、さまざまな角度から検討を重ね、結局一度も中止することなく、落語鑑賞会を続けることができたことは、本当に素晴らしいと思います。教務スタッフ、非常勤の先生方の協働に感動です。
★2021年1月
「イーストウエスト日本語学校 落語鑑賞会実施!
~教師で力を合わせて、万全の対策で臨む~
★2022年1月
今年の落語鑑賞会は、中野芸能小劇場でハイブリッド開催~「早く日本に行きたい!」と、
オンライン授業の留学生」 https://acrasweb.jp/?p=996
今年の演目は「初天神」と「寿限無」です。どちらもいつも留学生に大人気の演目ですが、今年の学生さん達の反応の良さに、桂扇生さんも驚いていらっしゃいました。昨年と同じような出身国・地域の学生さん達ですが、何よりもハイブリッドではなく、全員が会場に集まって鑑賞できたことが大きな要因だと思われます。
それに加えて、扇生さんのイントロでの学生さん達とのやり取りも、実に温かく、また新しい切り口も見られました。世界のことば、日本語の移り変わり、日本の漢字の特徴等々・・・どんどんテーマは変わっていきました。実際に、EWの「西川先生」を舞台に呼んで、「にしかわ/さいかわ」などと話が広がっていったのですが、これには学生も大いに関心を示していました。
どんなに学生さん達が引き込まれ、楽しい時間を過ごしたかについては、感想文をお読みください(落語鑑賞の後、感想文を出すことになっています)。2席の落語に加え、さまざまな小噺、着物の着方紹介、言葉の話等々、いつものように盛沢山の内容の落語鑑賞会でした。
最後の質問タイムでは、次のような質問が出ましたが、扇生さんは丁寧に答えてくださっていました。
*落語では、自動車などはどう扱うのか。また、現代的な話題はあるのか。
*扇生さんが落語家になったきっかけは何か。
*落語に台本はあるのか。
*どれぐらい練習をすれば、出来るのか。
また、感想文の中にもさらなる質問が見られました。一つ紹介したいと思います。
最後、桂扇生さんに質問が一つあります。何回も落語演出しましたが、いま毎回の演出の登場前はまだ緊張しますか。それは、どうしてですか。
では、まずは感想文の一部を紹介し、その後、感想文をスキャンしたものをいくつかアップしたいと思います。
*途中で留学生たちに話を振って、どんな内容でも瞬時に反応できるのにすごく感心しました。(例えば、自動車と学生が言えば、その身振り、人力車についても伝えてくださいました)
*寿限無を聞きながら、自分が子供の時に読んだ児童書の中にも自他ような話が出ていたのを思い出しました。どの国でも似たような滑稽の表現があるんじゃないかと思いました。
*天津には「相声」という伝統芸能があります。相声の形式は落語に似ています。天津人は皆相声が大好きで、私もよく聞きます。
*桂さんは自分が楽しい仕事をしたいために、落語家になったと言っていました。その時、私は、人間として、選択があることに気がつきました。将来のこと、誰もわからないけど、自分らしく選択すればいいと思います。
*まず自己紹介から落語するに使う道具―扇子と手ぬぐいも紹介し、標準語では「いや」と言いますが、笑える方法で方言では「や」と言うように、違いがあるのも丁寧に教えました。
*寿限無の物語、何回も長い名前を重複のはびっくりして、ラッパーみたいです。