松戸市国際交流協会主催の第31回「松戸市外国人日本語スピーチコンテスト」が、2月18日に、松戸市民劇場にて開催されました。コロナ禍のせいで一昨年は中止、去年は会場で聴衆無しで実施しました。「聴衆無し」で収録された動画が審査員に送られ、それぞれの審査結果を集計し、受賞者を決めるというやり方でした。それだけに、今年は、例年通りのスピコンが実施できて、感無量です。
■スピーチ終了後には、司会者とのやり取り
このスピーチコンテストでは、スピーチが終わると、拍手を受け退場ではなく、その場に残って、司会者からいろいろインタビューを受けることになっています。そのやり取りを見ながら、「なんと自然な日本語なのだろう」と感心しました。この終了後の臨機応変なやり取りこそが、大切なのではないでしょうか。
また、審査用紙には、採点欄に加え、「良かった点」「アドバイス」などのコメントを書く欄があります。スピーチを聞きながら、コメントを書き込んでいくのは大忙しですが、この司会者とのインタビュータイムがあることで、丁寧に書き込むことが可能になります。審査員のコメントを出場者の方々は、どんな思いで読んでくれるのだろう、と思いながら、ペンを走らせました。
■さまざまな賞の工夫
1位から5位まで審査結果をもとに決定しますが、賞状は優勝、準優勝ではなく、それぞれに賞の特別な名称がつけられています。今年の受賞者は以下のとおりです。
総合1位「松戸市長賞」
「私の伝えたいこと」 クアン ティ クオンさん(ベトナム)
総合2位「松戸市国際交流協会理事長賞」
「笑顔になりましょう」 ハイチェンコ マキシムさん(ウクライナ)
総合3位「優秀賞」
「日本語を頑張りましょう」 ホアン ティ トウ ウエンさん(ベトナム)
総合4位「ロータリークラブ賞」
「現代社会のストレス解消するために取るべき対策は?」
オウ ビジさん(中国)
総合5位「東京ラスク賞」
「七転び八起き」 ダオ クアン タイさん(ベトナム)
■「日本滞在5年未満」という出場資格
このコンテストには、出場資格として「滞在歴5年未満」という条件があります。さまざまな考え方があると思いますが、松戸市では「公平性を大切にしたい」ということで、この条件を付けているのだそうです。
そうなると、長く生活してはいるものの、日本語学習歴は浅いという方にはチャンスが回ってこないということも出てくるかもしれません。しかし、それぞれの団体で話し合いを重ねて、皆さんと一緒に実施していくことにこそ意味があるのだと思います。
松戸市に暮らす外国の方々は、2020年1月現在、約1万7千人、比率としては3.48%
となります(出典:「受民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(総務省)。
(人口30万人以上の都市としては、上位16位となります)
これからコロナ禍が収まれば、さらに来日する外国の方々は増えていくと思われます。
では、冊子から総合1位、2位、3位の出場者のスピーチ内容を紹介することにします。それぞれ自分自身が体験したことを大切にしたスピーチとなっています。彼らの声は、日本人が当たり前と思っていることに気づかせてくれたり、自分達の姿を反省させてくれたりする貴重なものであると言えます。
第1位「私の伝えたいこと」https://acrasweb.jp/wp-content/uploads/2024/02/市長賞.pdf
第2位「笑顔になりましょう」https://acrasweb.jp/wp-content/uploads/2024/02/理事長賞.pdf
第3位「日本語を頑張りましょう」https://acrasweb.jp/wp-content/uploads/2024/02/優秀賞.pdf