2023年11月より、「連載:教科書について考えてみませんか」がスタートしました。これは、2011年4月から1年間『月刊日本語』で連載したものです。12年前に言っていたことが、やっと今になって多くの方に理解していただけるようになった気がしています。それはやはり、2019年に出た「日本語教育の参照枠」などさまざまなものが提示されたことが大きいと思っています。「参照枠」は基準ではなく、あくまで参照するための枠組み、方向性、考え方を示したものであり、現場で「自分たちはどんな学習・教授・評価を実施していくのか」を考えていくことがとても大切だと思っています。この連載記事が、少しでも皆様の実践にお役に立てれば幸いです。
第1回(2023.11.12) https://nj.alc-nihongo.jp/entry/20231112-dekiru
第2回(2023.12.7) https://nj.alc-nihongo.jp/entry/20231207-kyokasyo
第3回(2023.12.29) https://nj.alc-nihongo.jp/entry/20231229-dekiru
第4回(2024.2.14) https://nj.alc-nihongo.jp/entry/20240213-dekiru
「日本語ジャーナル」からリード文を引用します。
2011年4月から『月刊日本語』(アルク)で「教科書について考えてみませんか」という連載を掲載してから10年。2021年10月に「日本語教育の参照枠」が出て以来、現場では、コミュニケーションを重視した実践への関心が高まり、さまざまな現場で使用教科書の見直しが始まっています。「参照枠」を見ると、言語教育観に関して、「学習者を社会的存在として捉える/「できること」に注目する/多様な日本語使用を尊重する」という3つの柱が掲げられています。これは、2011年4月から『月刊日本語』で連載した中で述べていることに重なります。そこで、今回もう一度皆さまに当時の記事をご紹介して、ご一緒に考えていきたいと思います。教育現場では、今まさに<教科書を見る目、使う力>が求められています。教科書を軸に「対話」の輪を広げていきませんか。(嶋田和子/アクラス日本語研究所)