2022年12月7日、明治大学山脇ゼミ主催「第10回なかの多文化共生フォーラム~多様性のあるやさしいまちを目指して~」が開催されました。
第1部は、2022年度の山脇ゼミの活動報告です。
・中野区長と外国人留学生の懇談会
・山中湖・群馬・韓国での合宿
・いくつもの小中高の生徒や教職員、中野区役所職員を対象にした「やさしい日本語ワークショップ」
・「中野にぎわいフェスタ」で実施した「ちえるあるこオリンピック」
などに関する活動報告がありました。コロナ禍でまだまだ行動制限のある中、工夫を重ねて活動を続ける大学生に感動です。「先輩達が作り上げてきた文化の中で、さらに自分達独自の視点を加えてイベントを作り上げていきました」と語る大学生は、この1年かけてやり遂げた嬉しさと、満足感にあふれていました。
参考:①実施報告「中野区長と留学生の懇談会:外国人住民への情報提供 ~多言語化とやさしい日本語~
②なかの「ちえるあるこオリンピック」は大盛会!
~多文化共生まちづくりをめざして走り続ける大学生~
第2部は、「協働体験を通した多文化共生」というテーマで「パネルディスカッション&グループディスカッション」です。
*パネルディスカッション
岡崎浩紀(芝園団地自治会事務局長)
資料:https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/mkmht00000024r49-att/okazaki.pdf
嶋田和子(アクラス日本語教育研究所代表理事)
資料:https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/mkmht00000024r49-att/shimada.pdf
ファシリテーター:山脇啓造(明治大学教授)
*参加者によるグループディスカッション
詳しい説明は、主催者による報告記事をご覧ください。
https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/mkmht00000024r49.html
終わってから1か月以上の月日が経ちましたが、今回、ここで改めて「第10回なかの多文化共生フォーラム」の報告記事をアップしようと思ったのは、このフォーラムの波及効果についてお伝えしたいということからでした。
私の発表タイトルは、「日本語学校と地域社会との協働~中野「なでしこ会」を例として~」でした。1990年から中野にあるイーストウエスト日本語学校で仕事をしてきた私は、地元とのつながりを大切にし、さまざまな連携・協働を進めてきました。フォーラムで話したいことはたくさんありましたが、8分という発表時間では限られたことしか話せません。
その中で、「授業外の例」として「留学生の地域でのボランティア活動」を取り上げました。とは言っても、詳しく説明する時間はなく、
・子ども食堂での手伝い
・「なでしこ会」での布巾づくり
・金曜ボランティア(中野区国際交流協会)
の例をあげ、具体的にお伝えしたのは「なでしこ会」とのつながりについてでした。
「なでしこ会」とは、70歳~95歳(平均年齢85歳)の方々が毎週集まって布巾やランチョンマットなどを作成。その作品を販売し、得た収益を地域社会に還元している団体です。
この団体との関わりは深く、留学生は布巾づくりのボランティアに参加してきました。また、収益をもとに「イーストウエストなでしこ作文コンテスト」が創設され、これまで何人もの学生が表彰を受けてきました。
参考:「なでしこ作文」のご紹介~継続性のある地域との交流活動~
もう15年も前にスタートした「なでしこ会」ですが、これまで地域社会にあまり広く知られていませんでした。しかし、今回の第10回なかの多文化共生フォーラムで発表をしたことで、多くの方に知っていただくことができました。世代を超えた、出身国地域を超えた「なでしこ会とイーストウエスト日本語学校」との連携・協働について、これからはもっと発信をしていく必要があると、改めて思いました。
また、発信したことで多くの方に単に知っていただいただけではなく、中野区 区民文化国際課の方々との「新たなつながり」も生まれました。中野区役所の方々は、この時の私の話を聞いて、これまでの日本語学校の取り組みについて、より深く知りたいとアクラスをお訪ねくださったのです。そこからさらに話が発展し、イーストウエスト日本語学校での「留学生との懇談会」の企画が生まれました。来年度からは、イーストウエストでは「区役所の方によるビジターセッション」も始める予定です。
山脇ゼミの学生さんが蒔いてくれた「多文化共生フォーラム」は、こうして新たなつながりを生み、新たな活動が始まりました。毎年1回、ゼミ生が主体となって実施し続けてきた「なかの多文化共生フォーラム」は、今年で10回目。この間、さまざまな社会変化があり、また、コロナ禍という大変な状況の中で、オンラインと対面をハイブリッドした形でのさまざまな交流事業、イベントの実施となりましたが、こうした中で多様な「対話」の輪を広げてきた山脇ゼミの皆さんの実行力にただただ感動です。
はてさて次の10年の第一歩となる2023年度は、どんなことが待っているのでしょうか。今からとても楽しみです。