現場から

     俳句で国際交流 第二弾!

                           (台湾)銘伝大学応用日本語学科

                                特任講師 虞 安寿美

 毎年恒例のイーストウエスト日本語学校の俳句大会の選句に、2020年の俳句大会に続き、今年も参加させていただきました。今年は、私の勤務校の銘伝大学応用日本語学科の総勢約60名の学生が参加しました(主に大学二年生の作文、会話、四技能総合の授業の履修生です)。日本語でコメントを書くのを最初は面倒くさそうにしていましたが、「学生からお返事をしたいと思いますので」を見たとたん、目の色が変わりました。特に今回の参加者は、新型コロナウイルスの影響で、ほかの学校との交流もない状態でしたので、とてもうれしそうでした。ある学生は、この活動のあと、「如果有機會可以和他們當筆友一定很有趣(機会があれば彼らとペンフレンドになるのも楽しいと思う)」と感想を書いていました。実現できるといいなあと思います。

 さて、今回、作文のクラスでは、選句の活動のあと、「あずみ賞俳句大会」と称して、「俳句を詠む」ことにもチャレンジしました。イーストウエスト日本語学校の学生さんの俳句にコメントを書いた後でしたので、みんなの感覚も刺激され、いろいろな秋の俳句が生まれました。選句はSNSを通じて行いました。私の知人友人のほか、姉妹校の大学のほか、台湾の日本語学習者のファンを多く持つYouTuberなど、61名の方から選句とコメントをいただくことができました。

   第一席 「遠い月 晩秋の風 寂しけり」

   第二席 「目を閉じて 描いてみてや 秋の色」

   第三席 「茜空 空を飲み込む 終の時」

   ロマンチック賞 「稲の花 香りの中で 愛を言う」

   ロマンチック賞 「夏休み 花が咲いたら 会いに行く」

   切ないで賞 「成績や もみじのように 枯れました」

   特別賞 「ガチ知らん 台湾の秋 暑すぎる」

   特別賞 「秋のカニ 米酒でお風呂 美味いかな」

12月29日に表彰式を行い、コメントを学生たちに見せたところ、日本語母語話者が書いた難しい日本語をうれしそうに読んでいました。自分が書いた日本語を、先生以外の人に真剣に見てもらえたというのは、大きな喜びになったのではないかと思います。私の推測ですが、きっと学生たちは、コメントを読んで「もっといい言葉を探してみよう」とか「次は!」と思ったのではないでしょうか。

喜んだのは学生だけではありません。今回の俳句大会を通して、私も大きな喜びがありました。いただいたコメントの中に、イーストウエスト日本語学校の先生方からのコメントがあったからです! 銘伝大学からイーストウエスト日本語学校に、イーストウエスト日本語学校から銘伝大学にと、双方向のかかわりが生まれたことに感激しました。また、イーストウエスト日本語学校の先生からのコメントを読んで、「対話って、こうやって始まるんだ」と思い、私ははっとしました。私の作文のフィードバックは、文法や語彙、表現方法だけになっていたことに気づきました。次の作文クラスでは、「感想」をもっと書いてみようと思います。学生たちがもう一歩深く考えたくなるきっかけになるんじゃないかと思います。

来年も「あずみ賞俳句大会」を開催したいと思います。SNSで選句のお願いを見かけたら、ぜひご協力いただければ幸いです。

    銘伝大学応用日本語学科二年生 作文クラスのみなさんと一緒に

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