現場から

絵本『金の魚のはなし』の絵を描いたウクライナの少年

~平和を祈りながら絵を描き続けるオレクサンドル君~

5月16日に、「5言語合本絵本『金の魚のはなし』(アレクサンドル・プーシキン作)」が出版されました。これは、<日本語、ロシア語、英語、中国語、ポルトガル語>の「5原語合本絵本」です。この絵本の絵を描いたのは、現在キーウ近郊に住む16歳のオレクサンドルさんです。オレクサンドルさんが、これらの絵を描いたのは、13歳のときのことでした。

この絵本出版が実現したのは、多言語絵本の会Rainbowの方々が、少しでもウクライナで暮らす方々の力になれれば、とオレクサンドルさんとのやり取りの中で自費出版を決意し、実現したものです。出版直後、子どもメールに「絵本出版」のお知らせが届き、すぐにアマゾンで購入しました。

※音声は、以下のURLをクリックすると、聴くことができます。

        / https://www.facebook.com/watch/?v=681329089015805

みごとな色づかい、表情の描き方……、とても13歳の少年が描いた絵とは思えない素晴らしさに驚きました。オレクサンドルさんが、この才能をどんどん伸ばしていってくれることを願わずにはいられません。

もう少し絵本が誕生したエピソードをお伝えしたいと思います。オレクサンドル君が暮らすウクライナは、2月24日にロシアによる軍事進攻を受け、大変な状態に陥りました。そんな中、3月19日にオレクサンドルさんからRainbowに3枚の絵が届きました。それを見たRainbowの石原さんが、フェイスブックで共有してくださいました(拡散OKということで、私もフェイスブックに載せさせていただきました)。

どうぞ3月にオレクサンドルさんから送られてきた3枚の絵をご覧ください。13歳の時に書いた『金の魚のはなし』にある絵とは雰囲気が大きく変わっています。今、ウクライナでの生活がどんなに大変であるかを思うと、心が痛みます。どの絵にも、彼の強い思いが込められていて、絵の持つ力を感じさせられます。そこで、3年前にオレクサンドルさんが描いた『おじいさんと金の魚のはなし』を、5言語合本絵本として出版しようと、Rainbowの方々が奔走なさったのです。

絵本には、この3枚の絵も載っています。どうぞ13歳の絵、そして、今のオレクサンドルさんの3枚の絵をご覧ください。1人でも多くの方に、オレクサンドルさんの絵本を手に取って、ご覧いただきたいと思います。1日も早く、オレクサンドルさんが「笑顔で大好きな絵を描き続けられる日」が訪れますように!

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