現場から

「丸の内朝飯会」は、60年続く異業種交流・勉強会!~週に1回、仲間とともに集い、学び合う~

8月3日の朝、60年続いている「丸の内朝飯会(ちょうはんかい)」に講師としてお招きいただき、「多文化共生社会における『日本語』の役割」というテーマでお話をさせていただきました。

毎週の勉強会のタイムスケジュールが、実にユニークです。ビジネスパーソンがお仕事前に、「ちょっと仲間と勉強をしてから……」という趣旨で始められたからなのです。

   7時~7時30分  朝食

   7時30分~8時30分 講演

   8時30分~8時45分 質疑応答

では、「丸の内朝飯会」について、サイトや頂いた資料をもとに紹介したいと思います。

会場はホテルの地下にあるレストラン

■丸の内朝飯会は、どのようにして始まったのか?

始まったのは1963年のこと、今年60周年を迎えます。「歩み」には次のように記されています。

★1963年

日米初の衛星中継にケネディ米大統領暗殺のニュースが飛び込み日本の若者に衝撃を与えた。情報化社会の到来に複眼的思考をめざして20代前半の若者7名が丸の内朝飯会の前身「新宿朝飯会」を発足(12.12)。

★1975年

例会場が東京ステーションホテル2Fレストランに(1.16)。同時に「丸の内朝飯会」と改称。「丸の内朝飯会だより」を発行(以後、作成者交代で現在に至る)。

こうして「丸の内朝飯会」は、場所は変わりましたが、設立当初と同じ思いで、2791回まで続いています。

■コンセプトは何か?

忙しい出勤前の時間を使って、毎週仲間と勉強会……これを続けることは、強い意思と、楽しむ心がなければできません。本当に素晴らしいことだと、同席して思いました。案内チラシには、このように記されています。

  聞く力が身につく

    考える力が養われる

      新たな世界が広がる

講演のテーマは、時事、経済、科学、芸術文化など多岐にわたり、講師は専門家を招聘することもあれば、会員が講師となって実施することもあります。そもそも会員の方々は各分野の専門家であり、さらに交友関係から外部講師を依頼し・・・という自然体で進めているのです。

自然体といえば、毎週の事前の出欠連絡も不要と記されています。こうした緩やかな「つながり」、知へのあくなき好奇心が「丸の内朝飯会」を長寿勉強会に導いているのだと思います。

■<毎週木曜日・知のオアシス「丸の内朝飯会」へ行こう>に見える会員の想い

長い歴史を持つ「丸の内朝飯会」について、詳しく記すことは大変な作業となります。そこで、皆さまには、簡単に見ることができるサイトをご紹介したいと思います。

◆サイト「丸の内朝飯会」

丸の内朝飯会 | ようこそ!丸の内朝飯会は60年続く異業種交流会・勉強会です (marunouchi2chohankai.net)

◆<毎週木曜日・知のオアシス「丸の内朝飯会」へ行こう」

http://marunouchi2chohankai.net/wp/ikou.pdf

132ぺージからなる電子書籍であり、とてもよく会のこと、参加している皆さまの想いが出ています。目次は次のようになります。

  *はじめに

  *丸の内朝飯会のふしぎ

  *丸の内朝飯会とわたし

  *丸の内朝飯会の裏方

  *丸の内朝飯会の明日

この中から、「丸の内朝飯会のふしぎ」の項目にある、タイトルをご紹介したいと思います。そのタイトルから、この会のふしぎな魅力を知っていただくことができるのではないでしょうか。

  ・メンバーが発揮する七つの力

  ・ありそうでなかった、≪街のオアシス≫と共に

  ・出席簿の効用

  ・「丸の内朝飯会」のネットワーク

  ・他者の視点に立つ

  ・朝な、朝なに、集う人々

この電子書籍以外にも、1996年には、『90分早起きすると必ず成功する~あなたも明日からトライを!』(中経出版)を出版、1985年には日経新聞に「来たれ、現役・気概のある人!」という見出しで記事が載りました。

■参加して思ったこと・感じたこと

これまで各地で、さまざまな方を対象とした講演会を行ってきましたが、今回はとてもユニークなスタイルであり、初めての経験でした。また、参加なさっている方々の質疑応答は、ご自分でしっかり考えた上での質問であり、改めて参加者の方と対話を楽しむことができた珠玉の時間となりました。

*憲法に定められている「個人の尊重」という視点で考えれば、「外国人と日本人」とということではなく、個人と個人の関係でよい社会を作り上げていくこと、それが多文化共生ではないか。

*介護施設に携わっているが、外国人によってもっている分野である。もっとさまざまなことを考えていく必要がある。そして、「ことば、こころ、制度」の壁は、外国人に対してだけでなく、日本人もそうであり、それを取り払うことが大切である。

*ボランティアとして、インドネシアからのEPA介護福祉士候補生の日常会話のお手伝いをしている。半年後に、それぞれの現場に入って日本語でやっていくのは、本当に大変だろうと思う。自分に出来ることをこれからもやっていきたいと改めて思った。

また、こんなすてきなメールを介した出会いもありました。講演をしたその夜のことです。参加してくださった方が家でお嬢様に、私の講演のことを話されたのだそうです。そして、お嬢様からのメッセージが幹事の方からメールで届きました。

     🎵    🎵    🎵

今、授業で多文化共生をテーマとした学習をしています。

日本で生活をする難民(認定申請中)の方に関する本やドイツにおける政府による移民受入プログラムについての本を読むうちに、互いに理解しあうには、「言葉」が何よりも必要だと考えるようになりました。

そのように考えていたところ、母から、嶋田和子様の講演の内容を聞きました。まさに、私が知りたいと思っている内容でした。

そこで、もし、今朝の講演を録音されていたら、その映像を拝見することはできますか。または、映像を見ることが難しいようであれば、講演のレジュメをいただくことはできますか。突然のお願いとなりますが、拝見することができれば嬉しいです。宜しくお願いします。

      🎵    🎵    🎵

その後、直接やり取をする中で、メッセージをくださったのは中学3年生であること、「やさしい日本語」にもとても関心があることを知りました。こんなすてきな「副産物」が生まれた「丸の内朝飯会」での第2791回の講演会でした。

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