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レポート:第11回なかの多文化共生フォーラム~多様性のあるまちをめざして~

12月6日(水)に、明治大学山脇ゼミ主催「第11回なかの多文化共生フォーラム」が行われました。明治大学中野キャンパスがオープンしたのは2013年4月、そこに2008年にスタートした国際日本学部が移りました。そして移転直後から山脇ゼミと中野の町との交流が始まったのです。

「なかの多文化共生フォーラム」は、1年目の2013年12月にスタート、それから毎年、コロナ禍にあっても継続されてきました。特に第7回からはテーマを「多様性のあるやさしいまちをめざして」と定め、第1部は山脇ゼミの活動報告、第2部では毎年さまざまな取り組みをしてきました。今年は、「トークセッション&ワークショップ「小さな気づきから考える多文化共生」です。

■第1部「山脇ゼミの活動報告」

先輩が築き上げてきたものを踏襲し、恒例の活動に加え、さらに広がっているのがよく分かります。発表があった活動は、当日配布された写真で紹介します。(https://acrasweb.jp/wp-content/uploads/2023/12/2312forumleafletF-2.pdf

「中野区長と留学生の懇談会」や「中野区職員ワークショップ」などは、先輩が始めた活動を継承したものですが、「MOREやさしい日本語記事」や「群馬ムービー」などは新たに始まった活動です。

では、ちょっと「MOREやさしい日本語記事」についてご紹介したいと思います。サイトを見ると、「MOREやさしい日本語記事」について、以下のように説明されています。

/https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000439.000011454.html

「MORE」は、「MORE JAPAN」を配信している中で特に人気のある記事を、記事の構成は崩さないまま「やさしい日本語」で再記事化する取り組みを進めました。……中略……

「やさしい日本語」化にあたっては、下記の6つの大学の先生とメディア・日本語学・日本語教育学・国際交流・多文化共生などを専攻する学生の方々にご協力いただきました。

  *甲南女子大学 文学部日本語日本文化学科

  *実践女子大学短期大学部 日本語コミュニケーション学科

  *白百合女子大学 文学部国語国文学科

  *聖心女子大学 現代教養学部日本語日本文学科

  *明治大学 国際日本学部

  *麗澤大学 国際学部

いろいろな形で協働が進んでいくことは、新たな気づきにつながります。

■第2部「マイクロアグレッション―小さな気づきから考える多文化共生―

今回のテーマは、東京都主催の「ダイバーシティプレゼンコンテスト」で取り上げたテーマをもとに考えられました。明治大学のサイトから少し引用してみましょう。

        プレゼン大会の動画  →https://www.youtube.com/watch?v=1Au_TBYjByA

山脇ゼミのプレゼンでは、「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」に基づく言動である「マイクロアグレッション」をテーマにあげました。マイクロアグレッションはマイノリティに対する日常生活に埋め込まれた否定的言動と定義されています。マイノリティと聞くと、在日外国人や障害者などを思い浮かべる人が多いかもしれません。ただ、ほとんどの人はマジョリティとマイノリティの両面を持ち合わせており、そのため、誰もがマイクロアグレッションの被害者そして加害者になるかもしれません。

そこで、山脇ゼミでは、マイクロアグレッションの事例を集めたオリジナルカルタを作りました。そして、このカルタを用いた親子イベント「マイアグッバイ」を通じて、大人の意識を見直し、将来を担う子どもたちにこの概念について知ってもらう機会を設けることを提言しました。子どもたちにも覚えてもらえるように、マイクロアグレションを「マイアグ」と略しました。「マイアグッバイ」には、「マイクロアグレッション(マイアグ)とさようなら(グッバイ)」という意味が込められています。

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2023/mkmht000000txoqc.html

まずは、カメルーン出身の星野ルネさんによるトーク、その後は、ワークショップとしてゼミ生が作った「カルタ」をもとに話し合いをし、その後中野区長と杉並区長より講評がありました。

最も印象に残ったのは、星野ルネさんの最後のメッセージでした。

相手を傷つけないようにと思うことで、萎縮することのほうが心配。実は、相手を傷つけないことよりも、傷つける可能性があることを知って、その上で、傷つけたら謝って、そこでコミュニケーションできることこそが大切。関係性を作っていくことに目を向けることが必要。

日本社会において、とても大切なメッセージだと改めて思いました。「マイアグ」から一歩進んで、「より良い多文化共生社会」をつくるために、何が大切なのかをみんなで多角的、多面的に話せる場ができてくることを願っています。いつも言っていることですが、こうした活動が明治大学だけでなく、多くの大学生を巻き込んで広がっていくことを願っています。

今回は、特別ゲストとして岸本杉並区長がご参加、さらに杉並区役所の方々もご参加くださいました。一つの区に留まるのではなく、近隣の区が連携・協働していくことは、これからさまざまな場面で求められてきます。その意味で、第11回なかの多文化共生フォーラムは、貴重な第一歩となりました。

【追記】2023.12.18    

  明治大学のHPに報告記事がアップされました。

     https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2023/mkmht000000v5lh1.html?fbclid=IwAR067a0EvHNjEyWGVgoTx8YZdc4ORoHKiQabCk771Cigu_B9yNmXNgRSewU

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